人材派遣業とは

お気軽にお電話ください

052-875-99309:00 ~ 19:00(土日祝除く)

人材派遣業とは

人材派遣業とは

この人材派遣というビジネスはまだ始まってからの時間がそれほど長いものではないのです。もともと戦前は労働者供給事業などと言われ、単純労働者を供給しては賃金をピンはねするようなビジネスとされたきたため長く禁止させており、今でもその一部は職業安定法により厳しく規制されています。昭和61年に法改正が行われ、一部の職種に限定して開始されたのが国内での派遣ビジネスのはじまりです。そして平成11年には、社会の雇用動向の大幅な変化に鑑みて、法律が大きく変わることとなり、原則は自由にできるようになり、一部の職種がだけが禁止されるものへと変化することになります。そして平成16年にはさらなる緩和措置がとられるようになり、手続きなどの簡素化が進みました。

しかし、政権の変化とともに国の政策も微妙に変化するようになり、平成20年代は相次いでは派遣許可基準などが見直されることになります。平成21年にはその許可基準が一部強化されて法改正され、派遣業の財産基準が厳しくなりました。派遣会社の経営基盤を強化することで、派遣社員の雇用の安定をはかるのがその大きな目的となったのです。また平成24年には労働者派遣法が改正され、派遣社員の保護が明確化されました。日雇派遣の原則禁止など、派遣社員の就労をより安定にするような規制もこの時期に盛り込まれることとなりました。さらに平成27年には派遣社員の脱派遣・脱長期化と、派遣会社に対する監督強化の方向へさら法改正がされることとなり、派遣会社に対しては、派遣社員のキャリアアップ支援を義務付けたり、派遣の期間制限を見直すなど、派遣社員にとって派遣就労がキャリアの一部にとどまるようなしくみ作りがされることとなっています。 さらに特定労働者派遣と一般労働者派遣の区分を廃止し、すべて許可・更新制とし、監督する機会を増やしています。

全体的に、派遣業のビジネスは今もグレーゾーンが多く法解釈が緩むと幅が広がることになりますが、規制が厳しくなると間口が狭くなるなかなか微妙なビジネスとなっています。ただ、国内の労働人口は減少傾向にあり、こうした勤務形態が企業の労働力不足を支える重要なものになってきていることもまた事実であり、規制が緩めばさらに市場の拡大が見込める状況となっているのは間違いありません。

派遣労働者の推移

正規雇用と非正規雇用労働者の推移
*出展 厚生労働省ホームページ

派遣労働者は非正規雇用者の中に含められています。この非正規雇用労働者は、平成6年から平成16年までの間に増加し、以降現在まで緩やかに増加しています(役員を除く雇用者全体の37.4%に相当・平成26年平均)。 近年では、非正規雇用労働者に占める65歳以上の割合が高まっています。また、雇用形態別にみると、近年、パート、アルバイトが増加していることがうかがえます。人材派遣による社員数はほぼ119万人で全体の6.1%でその構成比は横ばいとなっています。非正規雇用の労働者の中ではそのボリュームは多くはなく、全体からみるとまだまだ拡大の余地があることがわかります。

現状における派遣業の定義について

人材派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を派遣先の指揮命令を受けて、その派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。法律から取り出している説明であるため硬い言い回しになりますが、これまでは一般労働者派遣と特定労働者派遣の事業にわけられてきました。これが平成27年9月末にひとつにまとめられることとなり、さっそく変化が生じています。まず法改正前の切り分けは以下のとおりになります。

法改正前の旧切り分け

一般労働者派遣事業とは

・登録社員のみ、又は登録社員と常用社員の混在により労働者派遣を行なう事業を指し、厚生労働大臣の「許可」が必要です。
・許可証の有効期間は3年(更新した場合は5年)です。
・労働者を派遣する事業のうち、特定労働者派遣事業以外はすべて、一般労働者派遣事業です。

特定労働者派遣事業

常用社員のみにより労働者派遣を行なう事業で、厚生労働大臣への「届出」が必要です。

・有効期間は原則として無期限とされてきました。

実際特定労働者派遣事業を行っているところは非常に少ないのが現実で、一般労働者派遣がこのビジネスの主流といえます。

しかしこの一般労働者派遣と特定労働者派遣事業というのは平成27年9月の法改正によりその区分がなくなりました。したがって言葉としてはまだ市場で聞くことが多いものですが、実際にはこうした切り分けは終了していますので注意が必要です。改正後は労働者派遣というのが正確な名称となっています。厳密に言えば特定労働者派遣事業というものがなくなって一般派遣事業に組み込まれたというのが正しい見方といえます。このように派遣関連の法律は今も常に変動を続けています。最新の業法がどうなっているのかに精通していることはビジネスを運営していく上でも非常に重要ということができます。

禁止事項について

労働者派遣には二つの禁止事項が設定されています。

・二重派遣の禁止

他の会社で雇用されている労働者を派遣することは認められていません。

・専ら派遣の禁止

派遣先を特定の1社又は複数社に限定することが禁止されています。特定企業専属の派遣業にならないように気をつける必要があります。

今後も政権が変わり法改正が行われると変化する可能性も

派遣事業は、昭和61年の労働者派遣法の施行に伴い改正される前の職業安定法第44条によって労働組合が厚生労働大臣の許可を受けて無料で行う場合を除き、全面的に禁止されていた労働者供給事業の中から、供給元と労働者との間に雇用関係があり、供給先と労働者との間に指揮命令関係しか生じさせないような形態を取り出し、種々の規制の下に適法に行えるようにしたもので、落ち着くまでにはかなりの時間がかかっています。ここ10年でも法改正が頻繁に行われ、事業者はそれに様々に対応することを迫られることとなってきました。またこの先も政権が変わるごとに内容の見直しなどもあるため、現状で将来的にフィックスされるわけではないこともあらかじめ理解が必要となります。業務要件を満たしませんと許可の取り消しなどにあうこともありますので、法改正にはとにかく注意が必要なビジネスということができます。

請負、委任との違いについて

他人・他社に何かを頼む契約の総称を委託といいます。その頼み方により、完成すれば対価をもらう契約が請負であり、お願された通りに実行して対価をもらう契約が委任となります。 これは民法で規定された定義に基づくものです。このうち、とくに派遣とよく似た仕組みに請負というものがあります。この請負とは、労働の結果としての仕事の完成を目的とするものですが、人材派遣との違いは、請負には、注文主と労働者との間に指揮命令関係が生じないという点にあります。つまり請負で働きに来ている労働者は請負業者との雇用関係で命令系統も雇用主だけということになるわけです。したがって派遣ビジネスは請負ビジネスとはまったく異なるものであることは理解が必要となります。

請負、委任との違い

派遣業には今も違法な派遣領域が残ります。

派遣事業では以下の領域の派遣は違法となります。この30年あまりでかなり自由にビジネスができるようになったのが派遣業ですが、今もしっかり禁止されている派遣ビジネスエリアがあることを忘れててはなりません。

・港湾運送業務
・建設業務
・警備業務
・労使協議等使用者側の当事者として行う業務
・病院等における医療関係の業務
・弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁護士、社会保険労務士、又は行政書士の業務
・建築士事務所の管理建築士の業務

なお、労働者派遣法では病院等における医療関係業務の派遣が禁止されていますが、紹介予定派遣、僻地への派遣、産前産後休業、育児休業、介護休業の代替派遣の領域であれば対応可能となっています。禁止されている派遣領域については個別に法律で規定されていますので、必要があればそうした関連法についてもチェックしておくことが重要です。士業と呼ばれる職種は国家資格をもっている仕事ですから、なにも派遣で仕事をしなくても業務委託で仕事を取ればいいわけで、派遣にそもそもそぐわないことはすぐに理解できる領域です。

紹介予定派遣とは

派遣ビジネスの中で最近よく聞く言葉が紹介予定派遣というものです。この紹介予定派遣とは、派遣先に直接雇用されることを前提に一定期間派遣スタッフとして就業し、派遣期間終了時に企業と本人が合意した場合社員として採用される形になります。派遣期間は最大で6ヵ月、平均では3ヵ月程度が多くなっています。

紹介予定派遣の最大のメリットは、事前に働く側も雇用する側もお互いを見極められることです。入社前に、実際の仕事内容や企業の環境、雰囲気を体験できるため、入社後にギャップを少なくすることができます。企業は面接だけでは判定しにくい個人の人柄や普段の勤務態度を見ることができるため、安定した雇用の実現が可能となります。

また、通常の就職活動と違い、紹介予定派遣では派遣会社のサポートがあるため、転職が初めてという方も安心です。求人検索や仕事探しのアドバイス、企業との交渉などのバックアップで、効率よく就職活動ができます。実務経験が少ない方は派遣会社の研修・教育制度を利用してスキルを身に付けた上で就業することができます。新卒・第二新卒の方にもオススメの働き方といえるでしょう。

全ての企業が紹介予定派遣を利用しているわけではありませんが、不本意な採用や採用にかかるコストを減らせるというメリットから、大手企業でも利用するところが増えつつあります。目指している企業があるなら、こうした紹介予定派遣を活用してみるのも面白い方法ということができます。

起業段階では人材派遣の業務フローを確定させることが重要

申請のプロセスもさることながら、人材派遣ビジネスの場合には、事業を具体的に開始する前に、業務運営フロー・体制をしっかりと確定しなければなりません。事前にシュミレーションモデルを確立させることが必要ですが、実際にビジネスとスタートしてみますと、派遣先の事業特性や登録スタッフの属性、地域などにより、実際の業務フローにあわせて相当部分の修正が必要になりますので、この修正部分にもしっかりとした準備をすることが重要になります。

とくに業務開始後、いかに早く、事業実態に合わせて実務運営・経営管理フローを標準化できるかが非常に重要になってくるのです。実際に事業を行う責任者が実態に即した形で、営業→採用募集→コーディネイト→請求・支払いまで、 一連の業務プロセスを完結させてみることがきわめて重要になります。

社外からすでに業務に詳しい専任従事者を雇用した場合は、その経験や 志向性・癖等によって、構築する運用システムが大きく左右されることになりますので、知見と事業実態が食い違わないように調整をはかることが必要になってきます。取引するクライアントによって、業務プロセスが異なる部分もありますが、いかに標準化していくことができるかがスタートアップ時の大きなポイントとなります。

人材派遣ビジネスでもホームページは大活躍

派遣契約は原則1年、最長3年です。更に例外的に政令で定められた業務のみ、期間に上限なく派遣契約を締結することができます。したがって、常に新しい仕事をとることが更新作業には必要になり、安定的な人材派遣業を営むためには営業行為をいかに効率的、かつ継続的に行うこかが重要になってきます。応募者の獲得も常い行っていく必要があり、いかに効率的に応募者を獲得するかも安定的経営には欠かせない課題です。こうしたことから、この人材派遣ビジネスでもホームページが応募者との接点ではもっとも重要になります。ほとんどの応募者はまず派遣の仕事案件をさがし、労働条件と仕事の内容が自分にマッチするかどうかを十分にチェックしてから応募してくることになりますので、まずはホームページのポータルサイトの使いやすさ、わかりやすさ、そして案件の豊富さといったものが応募者にとっては非常に大きな選択ポイントになっているのです。とくに最近では、派遣で働ける職種が多岐にわたるようになっており、交通費がでないのが基本の派遣ビジネスではできるだけ職住接近のエリアが選択されるようになっているため、あらかじめホームページで条件をしぼって仕事を見つける応募者が非常に多いのです。それだけに普通のネットビジネス以上に人材派遣ビジネスでもホームページのユーザビリティの高さといったことが重要になってくるのです。

多くの応募者は複数のサイトに登録して案件を比較検討している

ホームページを利用した人材派遣利用者の多くが、案件情報を広範に集めるために複数の人材派遣サイトを閲覧するようになっています。したがってユーザー視点でどこのサイトが使いやすいであるとか情報が豊富であるかといったことについて非常に敏感になっていますので、ユーザビリティという点については常にチェックして使いやすいものへと修正していくことが重要になってくるのです。サイトの使いやすさというのは同業者のサービスを使い比べてみると予想以上にその優劣がつきやすいものになります。それだけに、ユーザー視点で細かい点をチェックしていかないと、ユーザー離れを起こしかねないことになってしまうのです。ネットのホームページのユーザビリティはあらゆる業界にいえることですが、反復してサイトをチェックすることが多い、人材派遣の業界ではとくに気をつけませんと、ホームページのおかげで顧客を失いかねないことになるのです。

応募者は派遣案件以外の周辺情報提供を望んでいる

人材派遣サイトを利用する応募者は、案件だけの情報以外にも、仕事の選び方や、現場でのトラブルなど様々な周辺情報を得ることに非常に敏感になっています。なかなか第三者に相談しにくい内容となるのが派遣の仕事ですからホームページ上で常に情報をキャッチしたがっていることは間違いなく、こうしたニーズにもしっかり対応することが重要になってくるのです。実際に仕事をはじめてしまえばネットではなくリアルにコーディネーターとコミュニケーションをとることが派遣のスタッフの基本となりますが、仕事を見つける段階ではそうしたコミュニケーションも成立しませんので、ネット頼みになるというのはよくわかることです。このような応募者の気持ちに寄り添った情報提供というものも派遣サイトを運営していく際には重要なポイントとなってくるのです。

派遣はフローのビジネスで常に新しい案件と応募者が必要

派遣ビジネスは1年が基本で最大3年と期限が決められていますので、安定的に売上げを伸ばすためには常に新規の案件とそれに応募する新しい人材を確保することが必要になってくるのです。したがって、営業活動は重要なプロセスになりますし、要求を満たす高いレベルの労働力を派遣として確保する必要もあり、この2つの両輪がうまくかみ合うように経営を進めていくことが重要になってくるのです。ネットはそうしたビジネスチャンスを実現するために必要不可欠ですが、すべてがネットだけで完結しないオフラインのビジネス領域があることも間違いない状況です。そのあたりのオンラインとオフラインのバランスといってものをしっかり考えてやっていけることがきわめて重要になります。ある意味では一息つく暇のない継続的な事業となりますが、クライアントとの関係強化、スタッフとして働く人々との強固な信頼感の醸成などオンラインだけでは解決のつかない問題をしっかりクリアしていくことが必要です。ネットだけでは完結しない難しさをしっかり認識することが成功のための大きな要件となるわけです。