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人材紹介業の始め方/ how to

人材紹介許認可の取得方法

【人材紹介ビジネス】許認可の取得方法について詳しく解説

人材紹介ビジネスは、求人者・求職者双方にとって、とても大事なものです。そのため、人材紹介ビジネスを始めるには、国から許可を得る必要があります。

もし許認可制度をなくしてしまえば、人材紹介ビジネス業者のやりたい放題になってしまうからです。

そこで本記事では、「どうすれば人材紹介ビジネスの許認可を取得できるのか」にフォーカスして解説してきます。

人材紹介ビジネスの許認可取得の要件

人材紹介ビジネスを始めるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 個人情報を厳格に管理・保護できること
  • 代表者がいること
  • 職業紹介責任者がいること
  • 事務所が適切であること
  • 適切な事業運営ができること
  • 適切な資産を有すること

それぞれについて詳しく解説していきます。

個人情報に関して

人材紹介ビジネスは、求人者・求職者の個人情報を扱います。もしそれが漏洩した場合には、求人者・求職者は大きな不利益が生じてしまいます。

そうならないように、人材紹介ビジネスを始めるための許認可取得には、個人情報に関する要件が含まれているのです。

これは職業安定法第1項第2号でも「個人情報を適正に管理し、求人者・求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること」と定められています。

その中では、「求人者・求職者等の個人情報を適正に管理するための事業運営体制が整備されていること」「求人者・求職者等の個人情報を適正に管理するための措置が講じられていること」となっています。

具体的に解説していきます。

個人情報を管理するための事業運営とは

「求人者・求職者の個人情報を、業務以外の目的で使用しないように教育する」などの整備が必要になるでしょう。

また、「個人情報に関する法令や指針などを理解し、それを遵守しながら業務にあたるようにする」なども必要です。

これらのように、事業運営体制が個人情報保護に則っていることが重要になります。

個人情報を管理するための措置とは

「個人情報保護に必要なセキュリティ対策を講じ、漏洩・消去などの防止に努める」や「個人情報保護マネジメントシステムに関して、継続的に取り組み改善を目指す」などの措置が必要です。

代表者に関して

人材紹介ビジネスは、求人者・求職者の人生とも言えるものを背負います。そのため、「人材紹介ビジネスを適正に遂行できる」と認められた代表者が、許認可には必要です。

これは職業安定法第1項第3号でも「当該事業を適正に遂行することができる能力を有すること」と定めれています。

その中では、代表者に認められる者として、「欠格事由に該当する者・適正な事業を遂行し得ない者でないこと」とされています。

上記に該当するのは、どんな人でしょうか。詳しく解説していきます。

代表者になれる人とは

代表者になれるのは、風俗営業などの性ビジネスに関係していない者や暴力団などの反社会組織に属していない者などです。

また、賃金業・質屋営業を営む場合には、適正に業務を運営できると許可を受ける必要があります。

職業紹介責任者について

人材紹介ビジネスを始めるには、労働関係法令に関する知識・人材紹介ビジネスに関する知識を持っている人がいなければいけません。

上記のような人を「職業紹介責任者」と言い、これになるには一定の条件を満たさなければいけません。

その条件とは以下です。

  • 成人していること
  • 年以上の就業経験があること
  • 他社の社員ではないこと
  • 職業紹介責任者講習を受講しており、受講証明書が発行されていること

この条件を満たすことで、職業紹介責任者になれます。

事務所について

人材紹介ビジネスは、求人者・求職者双方にとって大事なものです。そのため、「事務所が風俗店の近くにある」というのは適切ではないと判断されます。

このように、人材紹介ビジネスを行うにあたり、事務所は適切でないと許認可されません。

「許認可される事務所とは、どういうものなのか」については以下です。

  • 風俗店などのお店が周辺のないこと
  • 求人者・求職者の個人情報を保護できる構造であること(金庫の完備など)
  • 求職者が、その他公的機関と誤認する可能性がないこと
  • 区切られた面談スペースがあること

これを満たしているのであれば、レンタルオフィスでも許認可を得ることができます。

2017年までは、「20平米以上の面積を有していること」というものも要件に含まれており、レンタルオフィスでは要件を満たせなかったため、これが改正されたことは追い風になります。

また最近では、届出時に「オンライン専業で人材紹介ビジネスを運営する」と申し出れば、事務所の要件を無視して許可が出ることも多くなってきています。

事業運営について

人材紹介ビジネスは以下の要件を満たすことで、適切な事業運営ができるとみなされます。

  • 申請者が国・地方公共団体でないこと
  • 人材紹介ビジネスを会員の獲得・組織の拡大等の手段として利用しないこと
  • 事業主の利益に偏った職業紹介を行わないこと
  • 徴収する手数料額を明らかにした手数料表を有すること
  • 職業紹介責任者となり得る者の名義を借用していないこと

資産について

人材紹介ビジネスを始めるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 基準資産額500万円以上
  • 現金預金額150万円以上

基準資産額とは、資産の総額から負債の総額を控除した額のことです。

つまり、資産が1000万円あったとしても負債額が500万円以上あれば、基準資産額500万円以上を満たすことはできません。

個人・法人

今まで挙げてきた要件については、個人で事業運営していようと法人で事業運営していようと、あまり関係はありませんでした。

  • 個人情報の扱い
  • 代表者・職業紹介責任者の存在
  • 事務所の場所
  • 事業運営のやり方

これは、個人でも法人でも基本的には同じです。

しかし資産に関しては、個人で人材紹介ビジネスを始めようとすると不利になります。

なぜなら、個人である場合「個人の負債なのか」の判断ができないからです。

たとえば、個人で車や家を買っていてローンを払っている場合を考えてみてください。

法人であった場合には、「個人で車や家を買っている」ため、それに対するローンは負債に含まれません。

一方で個人の場合には、車や家のローンも負債として扱われてしまうのです。つまり、それらを考慮した上で、基準資産額500万円以上が必要になるのです。

この理由から、人材紹介ビジネスを始めるならば法人としてスタートする方がオススメです。ただし、個人で負債を持っていない場合には、許認可という視点では何も違いはありません。

人材紹介ビジネスに必要な書類一覧

人材紹介ビジネスを始めるには、多くの書類に記載をして提出しなければいけません。

それを別々に理解しようとすると非常に面倒なので、本章では一気にまとめてしまいます。

申請書類

職業紹介事業許可申請書

正本1部 写し2

職業紹介事業計画書

正本1部 写し2

届出制定数料届出書

正本1部 写し2部 ※1

※1 上限制手数料を採用する場合は不要

添付資料

定款または寄付行為

正本1部 写し1

履歴事項全部証明書

正本1部 写し1

住民票の写し

正本1部 写し1

履歴書

正本1部 写し1

直近の貸借対照表・損益計算表

正本1部 写し1

法人税の納税申告書・証明書

正本1部 写し1

事務所使用の証明書

正本1部 写し1

手数料表

正本1部 写し1

事務所のレイアウト図

正本1部 写し1

職業紹介責任者の履歴書

正本1部 写し1

職業紹介責任者講習の受講証明書

正本1部 写し1

個人情報適正管理規程

正本1部 写し1

業務の運営に関する規程

正本1部 写し1

これらが人材紹介ビジネスの許認可申請に必要な書類になります。

人材紹介ビジネス 許認可申請の流れ

人材紹介ビジネスの許認可申請の流れは以下です。

  1. 責任者講習の受講
  2. 要件を満たしているかの確認
  3. 必要書類の準備
  4. 申請書作成
  5. 管轄の労働局で事前確認
  6. 申請手続き
  7. 事務所の検査
  8. 許可証交付

この流れをたどることで、人材紹介ビジネスを始めることができます。

また、許可証交付は申請から約23ヶ月程度かかることが一般的です。そのため実際には、申請をしてから3ヶ月後から営業を開始することになるでしょう。

許認可申請時に起こりがちなミス

「要件も満たしているし大丈夫だろう」と思っていても、思わぬことで却下されることもあります。

そのため、許認可申請時には事前にミスがないかしっかり確認する必要があるでしょう。

そこで本章では、許認可申請時に起こりがちなミスにフォーカスして解説していきます。

起こりがちなミスには、次のようなものがあります。

  • 事務所のレイアウトが合っていない
  • 資産要件の理解ミス
  • 事業規模による要件変更の理解不足

それぞれについて詳しく解説していきます。

事務所のレイアウトについて

人材紹介ビジネスは、求人者と求職者をつなげる役目があります。求人者が求めている人材を適切に紹介する必要があるわけです。

そのためには求職者と面談をして、求職者と求人が合致するかなどの確認が必要になります。

それを行うためには、求職者のプライバシーを保護できる部屋が必要になるのです。

たとえば、他の求職者と同室で面談をしたり、部屋がガラス張りになっていて外から丸見えだったりする場合には、事務所の要件を満たせていません。

近年では、「開放感のあるオフィス」が人気ということもあり、レンタルオフィスなどでもガラス張りが採用されていることが多いです。

また、プライバシー保護の観点から、求人者・求職者に関する書類を適切に管理する必要があります。

そのためには、鍵付きのロッカーや金庫が必要だと言われるケースもあります。

自分で部屋を借りるならば、ロッカーや金庫の用意もできますが、レンタルオフィスを使った要件を満たそうと考える場合には、「鍵付きのロッカーはあるか」「金庫はあるか」といった確認が必須です。

資産要件について

前章でも述べましたが、人材紹介ビジネスを始めるには、

  • 基準資産額500万円以上
  • 現金預金額150万円以上

を満たす必要があります。

このときに、「現金預金で500万円以上あればいい」と勘違いしてしまう人が多いのです。

基準資産額とは、資産から負債を除いた額なので、たとえ現金預金額が500万円以上あったとしても、要件を満たせない可能性もあります。

それは、銀行などからお金を借りて現金預金額が500万円以上の場合です。この場合、350万円以上のお金を借りていると、基準資産額が500万円以下になってしまうため、要件を満たせなくなるのです。

そのため、資産要件を満たそうとして銀行などからお金を借りても何の解決にもなりません。焦ってそのような行動をしないように気をつけましょう。

事業規模ごとの要件

人材紹介ビジネスの許認可を受ける際の要件について解説してきました。しかしそれは、1事業所で従業員も少ない場合です。

事業所が増えたり、従業員が増えることで要件も変わります。

変わる要件は、

  • 職業紹介責任者の数
  • 資産要件

2つです。

それぞれについて解説していきます。

職業紹介責任者について

職業紹介責任者は、1事業所あたり1名以上必要です。

また1事業所しかなくても、従業員が50名を超える場合には、もう1人の職業紹介責任者が必要になります。

資産要件について

資産要件は、

  • 基準資産額500万円以上
  • 現金預金額150万円以上

でした。

しかし事業所が2つ以上ある場合には、

  • 基準資産額 500万円×事業所数
  • 現金預金額 2つめの事業所からは、プラス60万円

が必要になります。

たとえば、事業所を3つ運営する場合には、基準資産額が1500万円以上で、現金預金額が270万円以上必要になるのです。

人材紹介ビジネスを始めるときに、いきなり複数の事業所を運営するとは限りませんが、覚えておいて損はないでしょう。

まとめ

人材紹介ビジネスを始めるに、以下の要件を満たす必要があります。

  • 個人情報を厳格に管理・保護できること
  • 代表者がいること
  • 職業紹介責任者がいること
  • 事務所が適切であること
  • 適切な事業運営ができること
  • 適切な資産を有すること

また、これらは細かい設定がされているため、自分では「満たしている」と思っても抜けている部分があるかもしれません。

そのため申請を出す前に、管轄の労働局などの出向き事前確認をすると安心かもしれません。

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