人材紹介ビジネスの仕組みと手数料
【はじめよう!人材紹介ビジネス】人材紹介会社の仕組みと手数料
「人材紹介ビジネスを始めるために、何から手をつければよいだろうか。」このようなお悩みを抱えていらっしゃる方は、まずは、人材紹介会社の仕組みや手数料を知るところから始めましょう。
今回の記事では、人材紹介ビジネスを始める前提として、押えておきたい「人材紹介会社の仕組みと手数料」を解説します。
人材紹介会社の仕組み
人材紹介ビジネスを始めるためには、人材紹介ビジネスについて詳しく知る必要性があります。そのためには、人材紹介会社の仕組みや手数料を分析することが重要です。
まずは、人材紹介会社の仕組みがどうなっているのかを掘り下げていきましょう。
人材紹介ビジネスとは
「人材紹介ビジネス=人材紹介事業」とは、「人材が欲しい」という雇用主(求人者)と「就業先を見つけたい」という求職者をマッチングさせる事業です。求人者と求職者をマッチングさせることによって手数料(報酬)などの対価を得るため、「有料職業紹介事業」とも呼びます。
ちなみに、大学のキャリアセンターやハローワークのように、マッチングについて対価が発生しない「無料職業紹介事業」も存在します。
「人材紹介ビジネス=有料職業紹介事業」を行うには、厚生労働大臣の認可が必要となります。
人材紹介会社とは
人材紹介会社とは、厚生労働大臣の許可を受けて、有料職業紹介事業を行う事業者(会社)のことです。
人材紹介会社が報酬を稼ぎ出すためには、求人者と求職者をマッチングさせる必要があります。そのために、求人者である企業とは人材紹介契約を締結し、求職者にはエントリーと呼ばれる利用登録をしてもらいます。
人材紹介会社は、求人者と求職者がマッチング(雇用契約の成立)しないと報酬を得られないため、マッチングするために尽力します。求人企業からは事前に募集する人材の入念なヒアリングを行い、求人票の書き方のアドバイスなども行います。
また、求職者には、経験豊富なコンサルタントをつけ、求人企業の紹介やエントリーシートや職務経歴書の添削指導や面接指導、求人企業との条件交渉等を行います。
マッチングを成立させるために、求人企業・求職者双方に対して、求めている人材や就職を希望している企業に関する入念な事前リサーチを実施して、求人企業に対する採用リスクの軽減を図ることがポイントとされています。
人材紹介事業と人材派遣事業の違い
人材を必要としている企業に人材を斡旋するということ及び事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要なことに関しては、「人材紹介事業」と「人材派遣事業」がありますが、これらは似て非なる事業です。
最大の相違点は、求人企業側との契約相手です。人材紹介事業は、求職者と求人企業で雇用契約の締結をするのに対して、人材派遣事業は、求人企業と人材派遣会社で労働者派遣契約を締結します。
報酬に関しても、人材紹介会社には、原則として雇用契約時に1回の成功報酬の支払いですが、人材派遣会社には派遣期間中はずっと派遣手数料が発生します。
人材派遣事業において、派遣する労働者は、派遣先企業の指揮命令下で業務を遂行しますが、雇用契約は人材派遣会社と締結しているため、派遣人材に育成するための教育研修等は人材派遣会社の責任と費用負担によって行われます。そのため、ビジネスにおける原価率や利益率を比較してみると、人材紹介事業のほうが人材派遣事業よりも原価率が低く、利益率が高いことがわかります。
人材紹介会社の種類
人材紹介会社は、マッチング成立の仕組みにより、以下の3つの種類に分類されます。
- ・「一般(登録)型」:人材紹介会社のデータベースに登録された候補人材の中からマッチングさせる一般的な形態で、求職者の希望に合わせた就職先が見つけやすいのが特徴です。さらに、人材が幅広い「総合型」と特定の職種に特化した「専門型」に分類されます。
- ・「サーチ(ヘッドハンティング)型」:求人企業からの依頼により求める人材を自社のデータベースだけでなく、ヘッドハンティング形式によりマッチングさせる形態です。
- ・「アウトプレースメント(再就職支援)型」:事業規模縮小等やむを得ない事情で雇用継続ができなくなった企業や社員に対して再就職支援等を行う形態です。
また、求人企業に関して、特定の業界や業種に独自のネットワークで強みを持つ「業界特化型」や、求職者の年齢、性別、業界経験の有無、第2新卒、管理職等の属性に特化した「属性特化型」などの種類もあります。
採用時に人材紹介会社を活用するメリット
求人活動において、人材紹介会社の人材紹介サービスを活用するメリットは以下のとおりです。
- 採用費用について、一般的に成功報酬型のため、初期コストがかかりません。
- 採用できなかった場合でも、採用活動のコストが軽減できます。
- 人材紹介会社から採用要件を満たした人材を紹介されるので、自社の募集人材に近い母集団から選考できます。
- 求人募集までのリードタイムが短縮でき、スピード採用が期待できます。
- 採用活動が効率的になり、採用担当者の手間と時間が削減できます。
- 非公開求人の募集が可能になります。
- 即戦力を採用することが可能になります。
- 専門性の高いスキルを持った人材の採用が可能になります。
人材紹介会社の手数料
人材紹介会社の仕組みを理解したところで、次に人材紹介会社の手数料(報酬)について掘り下げていきましょう。
人材紹介会社の収益モデル
人材紹介会社の収益モデルは、「成功報酬型」が採用されています。人材紹介会社は、求人者と求職者のマッチングが成立(求人者が求職者を採用)した段階で、一定割合の手数料(報酬)を求人者から受け取る仕組みです。
募集人材が複数の場合には、採用者1人に対して各別に手数料が算出され、採用人数分の手数料が必要となります。
求人者である企業が人材紹介会社に手数料を支払うため、求職者は無料で人材紹介サービスを享受することができます。
人材紹介ビジネスは、求人者や求職者に敷居を低くして利用しやすくしてもらうために、双方に初期コストがかからないようになっていることが特徴です。
ただし、ヘッドハンティング型などの場合には、着手金が発生する場合もあります。また、再就職支援型の場合には、雇用継続できない企業側が費用負担するケースが一般的です。
人材紹介会社の手数料の相場
人材紹介会社の手数料は、一般的には、求人者に採用された求職者の想定年収の一定割合を成功報酬として算出されます。
紹介手数料の相場は、一般的には求職者の想定年収の10~35%に設定されている場合が多いです。大手企業を含む人材紹介会社の多くで30~35%に設定しており、スキルの専門性が高い人材やエグゼクティブ人材などの場合には、40%程度になることもあります。
なお、人材紹介会社の手数料の設定方法には、「上限制手数料」と「届出制手数料」の2つがありますが、現在では「届出制手数料」が一般的には利用されています。「届出制手数料」の上限は、求職者の想定年収の50%であることを念頭に置いておきましょう。
手数料を返還するケース
人材紹介会社が紹介した人材が、採用後一定期間内に自己都合退職(早期退職)した場合には、求人企業が人材紹介会社に支払った手数料の一部が返金されるケースもあります。
人材紹介会社ごとに、人材紹介契約において、退職の時期に応じた返金の料率などを定めています。たとえば、入社後1か月以内の退職は手数料の80%の返金、入社後3か月以内なら50%の返金などといった具合です。この場合でも、着手金は返還されないことが多いです。
人材紹介ビジネスを継続していくためのポイント
人材紹介会社を起業して、人材紹介事業を軌道に乗せるためにはいくつかのポイントを押えておく必要があります。
ここでは、人材紹介ビジネスを安定して継続していくためにはどのようなことが必要なのかポイントを探っていきます。
人材紹介ビジネスの問題点
人材紹介ビジネスは特殊なビジネスモデルです。そのため、人材紹介ビジネス特有の以下のような問題点を把握しておくことが必要です。
- ・利益が得られるまでに時間がかかる
- ・新規参入企業は求職者や取引先企業の確保が難しい
- ・安定経営の継続が難しい
人材紹介ビジネスは、ポピュラーな「一般(登録)型」の場合、成功報酬制を採用しているので、人材募集企業と求職者のマッチングが成立しなければ、なかなか報酬を得られず、人材紹介会社維持のための経費がかかってしまいます。
また、新規参入企業の場合、求職者の母集団を増やすことには時間がかかり、信用がつく前は取引先企業の確保にも苦労します。起業したばかりの頃は広告宣伝の費用もあまりかけられないので、魅力のあるサービスの浸透に時間がかかってしまいます。
さらに、人材紹介ビジネスは、依頼先の採用活動が終了すれば業務が完了してしまいます。人材派遣ビジネスなどのような派遣期間中の依頼先企業との継続的なお付き合いができないため、人材紹介ビジネスは安定して継続していくことが難しいとされています。
安定経営を継続するためのポイント
上述したような人材紹介ビジネス特有の問題点を解決し、人材紹介ビジネスを安定して継続していくためには、以下のようないくつかのポイントを押えておきましょう。
- コンサルタントの質を向上させ、営業力を強化する
- 独自のビジネスモデルを構築する
- 競争相手の動向や業界事情は常に押えておく
- 社内での成功事例など情報共有を行う
- 収入源を増やす
安定経営の継続のためには、取引先企業にリピーターになってもらうことや幅広く取引先企業を増やすなどの営業力がポイントになります。社内のコンサルタントの質を向上させ、取引先企業や求職者へのアプローチの営業力を強化することが不可欠です。
そのためには、社内での成功事例などの情報共有をしっかりと行うことも重要になってきます。成功事例を共有して業務改善を図ることで、コンサルタントのスキルや経験不足を補い、コンサルタントの育成期間の短縮が図られ、コンサルタントの質も総じてアップしていくことに繋がるからです。
さらに、人材紹介ビジネスの市場規模や業界の動向、関係するニュース・法令・行政情報、大手企業を含めた競争相手の動向や新サービスなど自社に取り入れられるものがないか常にチェックしておきましょう。
また、「あの人材紹介会社に依頼すれば思いどおりの人材を紹介してもらえる」といったような成功体験や口コミで広がる信用力を上げるために、求職者を探す工夫も必要となります。
特に、独自のビジネスモデルを構築することを常に意識しておきましょう。
なお、医療・介護・物流などのエッセンシャルワーカーに特化した人材紹介事業など景気の影響を受けにくい人材紹介ビジネスに力を入れるなど、複数の収入源を確保しておくと、安定経営に繋がります。
まとめ
これまで、人材紹介会社の仕組みと手数料についてご紹介させていただきました。
まとめると以下のようになります。
- 人材紹介ビジネスとは、有料で求人者である顧客企業に求職者を紹介する事業であること
- 人材紹介会社は、求人企業と求職者がマッチング(雇用契約成立)した時点で紹介手数料などの成功報酬が受け取れる収益モデルであること
- 人材紹介事業と人材派遣事業は、ともに厚生労働大臣の許可が必要な人材を斡旋する事業であるが、人材紹介事業は、求職者と求人企業で雇用契約を締結、人材派遣事業は、求人企業と人材派遣会社で労働者派遣契約を締結するなど違いがあること
- 人材紹介会社には、「一般(登録)型」「サーチ(ヘッドハンティング)型」「アウトプレースメント(再就職支援)型」「業界特化型」「属性特化型」などの種類があること
- 人材紹介会社の手数料の相場は、求職者の想定年収の30~35%であること
- 手数料は、紹介した人材が早期退職した場合には、一部を返還するケースもあること
- 人材紹介会社を活用した場合、「初期コストがかからない」「採用が効率的になる」「優秀人材の採用が期待できる」などのメリットがあること
- 人材紹介ビジネスを継続していくために大切なのは、人材紹介ビジネスの問題点を把握して、安定経営を継続するためのいくつかのポイントを押えることです。
以上のような「人材紹介ビジネスに関するアレコレ」を参考にして、人材紹介ビジネスの新規参入にお役立ていただければと思います。
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